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既設の電力線を通信用に活用できるIoT化支援ツールを開発株式会社ヘルヴェチア

2020.12.10

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電力線を通信用に活用することで、IoT化工事費用の大幅圧縮が期待できる

製品名=IoTゲートウェイアダプタ「VPLC-1000」

HD -PLC規格※の利用により電力線で通信も可能に

IoT化を進めたくても進められない企業の背景には、設備機器自体の導入コストに対して効果が不透明であったり、導入に必要な通信網整備の費用や負担がわかりづらかったりという面が影響しているケースも少なくない。株式会社へルヴェチアのIoTゲートウェイアダプタ「VPLC-1000」なら、すでに敷設されている電力線を使って通信を行うHD-PLC規格を利用するため、新規の通信配線工事が不要。その上、現在使用している各種制御装置等と接続するだけで、簡単にIoT化が実現できる。

有線での接続となるため、無線だと電波が届かない場所や、セキュリティ上無線通信が行えない場所などでも利用可能。有線ならではの高速通信により、フルHDの画像伝送など大容量のデータ通信も安心だ。また、Wi-FiのようにSSIDやパスワードの設定も不要。アダプタはモジュール構造となっているため、多彩なインターフェイスを実装できる。
※High Definition Power Line Communicationの略。パナソニック株式会社が開発した技術で、通信専用の配線を必要とせず、電力線に通信信号を重畳することで情報を伝送できる。

速度重視か距離重視かで接続方式を選べる

接続方式は二通りある。屋内200m以内※の比較的短い距離で高速通信を行いたい場合は「Completeタイプ」がおすすめで、最大95Mbps(実効速度)の通信速度を誇る。一方、それ以上の長距離通信を行いたい場合は、「Multi-hopタイプ」(実効速度最大35 Mbps)を使用し、アダプタ間を中継(Hop)することで、最大接続数1024ノード※2、最長通信距離約2000mという大規模ネットワークの構築も可能だ。

微小信号を電力線に重畳するHD-PLCは、さまざまな機器から発生するノイズの影響を受けやすく、また部品配置を少し変更するだけでノイズの影響力が大きく変わるという課題があった。同社はこの課題の原因を、回路やアートワークの見直しと、シミュレーションや測定試験を何度も重ねることで一つ一つ特定。地道な努力の末に目標性能に到達し、製品化に至った。
※使用環境によって異なる
※2「結び目」を意味し、コンピュータネットワークにおいてはパソコンやルータなど、ネットワークを構成する機器そのものあるいは数の単位としても用いられる

あらゆる施設のネットワーク化を後押し

同製品は、例えばビル・建物の照明や空調の制御システム、各種センサのモニタリング、監視カメラなどをネットワーク化したいときなどに有効だ。また、集合住宅の電力集中検針に利用すると、検針だけでなくHEMS※の活用などにも展開できる。さらに防犯用のアナログカメラをIPカメラに変更する際などに既存のケーブルが利用できるという利点がある。その上、電力線を一本敷設するだけで給電+通信がまかなえるという利点を活かせば、コインパーキング等の施設の新設時に工事費を圧縮できたり、セキュリティゲートの配線を単純化することでより高速かつ付加価値の高いソリューションを提供できるなど、さまざまな効果が期待できる。

導入する際には、同社が電力線の配置図を確認しながら、最適な配置を提案。実証試験を経て本格導入という流れになる。コストと効果に対する不安からIoT化に二の足を踏んでいた企業は、一度同社に相談してみてはいかがだろうか。
※Home Energy Management Systemの略。家庭で使う電力を最適化するシステム。

取材日:2020年10月21日

企業情報

株式会社ヘルヴェチア

2013年創業。主な事業は、ハードウェア・ソフトウェアの受託開発およびシステムの研究開発、産業用組み込みPCなど標準品の販売など。2020年5月18日には、IoTで岡山の活性化を目指す「みんなのIoTコンソーシアム」を、地元岡山のIT企業や各分野のエキスパートと設立。

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