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1㎠あたりに約1万個の微細吸盤を安定的に並べて、“貼り・剥がし”のできる「ミクロ吸盤シート」ミクロ吸盤応用研究所

2019.03.07

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「ミクロ吸盤シート」を構成する「ミクロ吸盤」は商標登録され、特許も取得している

学ぶべきポイント

  • “貼り・剥がし” が簡単にできるシートの開発で、環境美化に貢献
  • 専門職でなくても簡単に施工ができるため人件費削減が期待できる

粘着シールを超える「ミクロ吸盤シート」の研究開発、生産技術開発、市場開拓を基幹事業としているミクロ吸盤応用研究所。同研究所は、「ミクロ吸盤シート」に新しい可能性を見出した桑畑克彦氏によって、2011年に設立された。

さて、この「ミクロ吸盤シート」とは一体どのようなものなのだろうか。

「ミクロ吸盤シート」は、1㎠あたりに約1万個の極薄微細吸盤を安定的に並べることで、“貼り・剥がし”のできる真空吸着機能が付与された新素材だ。
従来の粘着剤を使用したシールとは異なり、以下のような特性を持っている。
・何度でも繰り返し貼って、剥がすことができる再剥離性がある
・貼り付け時に、空気を抱き込まずに貼れる
・貼り付け後にシールが滑らない
・粘着剤を使用していないため、剥がす際に粘着剤が残らない
・独自の技術により平滑面はもちろん、一定の凹凸面への吸着が可能
・吸盤面への印刷が可能(インクジェットプリンターを使用して広告宣伝ツール等が容易に作成できる)
・熱に強く、摂氏80度までの面での吸着、200度の耐熱性がある

「ミクロ吸盤シート」は、粘着シールにありがちな“被着体に糊(粘着剤)が転移する”、“貼ると空気が入って脹れる”、“耐熱性に乏しい”といった欠点をことごとく解決してくれる。
実際に使用する際も、「ミクロ吸盤シート」は、通常のタック紙のように空気が残る心配もなく水貼り等の手間が不要となる。専門職でなくても簡単に施工が可能であるため、人件費や作業時間の削減が期待できる。また、貼付に失敗したとしても張り直しができることも利点だ。そして剥がした後も繰り返し使える。

日常生活の中で、「シールを剥がそうとしてうまく剥がすことができなかった」という経験は誰にもあるはずだ。貼る際は、剥がす際のことを全く考えていないからだ。桑畑氏自身は、長年製紙業界で粘着素材に関する仕事をしてきた経歴を持つ。業務に携わりながら、街中でシールが剥がれずに残っている壁面などを見て憤りを感じていたという。
そして、通常のシールに替わる、簡単に“貼り・剥がし”ができるシートがあれば、環境美化にもつながり世の中のためになれると思った。それが「ミクロ吸盤シート」開発のきっかけとなった。

同研究所の経営理念は「諦めない情熱が道を開く」。定年退職後に起業した桑畑氏は、「ミクロ吸盤シート」の技術をさらに広めるため、様々な製品開発に取り組んでいる。
吸盤効果で留める、片面が吸盤でもう片面が粘着の両面テープ「きゅうばん君」や、吸盤と磁石がひとつになった便利シート「吸着マグネットシート」など、色々な用途に使用できる製品を開発し、「ミクロ吸盤シート」の可能性をさらに広げている。

書棚の前に貼ると本の落下防止となり、地震対策にも活用できる「きゅうばん君」

今後の課題は、粘着力のコントロール技術だという。粘着力を弱めたり、強めたりすることができれば製品のバリエーションもさらに増していくはずだ。
桑畑氏の諦めない情熱で、「ミクロ吸盤シート」の新たな道が開かれることに期待したい。

取材日:2019年2月12日

 

企業情報

ミクロ吸盤応用研究所

粘着シールを超えるミクロ吸盤シールの、研究開発、生産技術開発、市場開拓を始めて15年になる。現在、用途開発に関わる相談が多く、中国、韓国を含めミクロ吸盤ネットワークを構築し、ミクロ吸盤を世界に認知させたい。、

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