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「社長の笑顔が創り出した世界最小非破壊検査装置」(前編)つくばテクノロジー株式会社

2017.02.20

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  • 1.世界最小クラスのレーザー超音波可視化検査装置―複雑形状の金属、セラミックス、樹脂の内部欠陥を完全非接触で検査―

世界最小クラスの非破壊検査装置を製品化したのは、つくば市に本社が在る「つくばテクノロジー株式会社」。同社は2005年設立の産総研移転ベンチャー企業で、社長の王波氏は、中国出身の穏やかな笑顔を持つ男性。中国でのレーダー研究の後来日し、筑波大や産総研等で3D画像処理のソフトやハードを研究。産総研時代の同僚 高坪氏(同社CTO)他とともに現在の会社を設立。主要製品は、世界最小クラスのレーザー超音波可視化検査装置とX線検査装置。目下、世界を目指して奮戦中。

レーザーを照射して物体内に超音波を発生、微細欠陥を完全非接触で検出

図1はレーザー超音波可視化検査装置全体を示したもの。YAGパルスレーザー(最大2mJ、パルス幅~2ns、ビーム径φ0.5mm)を、10cm~2mの距離から被検査体に対し、4000パルス/秒の速度で照射。照射点は、ガルバノミラーでX、Y方向に走査される(数万点~十数万点)。表面に熱歪を繰り返し与えることで、物体内に超音波が発生。内部欠陥で反射して表面に戻った超音波は、再度レーザー受信器で受信する。王社長が得意とする画像処理技術で、受信したデータをイメージ化し、被検査体内部の超音波伝播状態を可視化する(図2)。この検査装置の最大の特長は、レーザー発信/受信部が被検査体と完全非接触にできること。これにより、複雑な表面形状を有する物体でも、内部の欠陥検査が可能となる。「従来の類似製品と異なり、レーザー発信側を走査させたことが、装置全体の操作性や制御性の向上に繋がった」とのこと。


図1:レーザー超音波可視化検査装置

図2:モニター画面(超音波の伝搬状態や欠陥の有無をその場で同時確認可能)

幅広い材料の非破壊検査に威力を発揮。検出可能な最小欠陥は20μm!

対象物は金属、セラミックス、樹脂など幅広い。CFRPの強化繊維と樹脂間の剥離なども確認可能とのことで、自動車メーカー、航空機メーカーからも注目されている。金属材料の場合、最小0.1mmの内部微小欠陥まで確認できる。ただし、市場からは数μmサイズの欠陥検査の要求が強く、目下検出感度を高める努力中。現在のチャンピオン値は20μmとのこと。

トンネル、橋梁等のインフラ、航空・宇宙、自動車部品の検査に威力を発揮

航空・宇宙や自動車、各種プラントの検査や材料開発に、本製品が適用され始めている。最近、トンネルや橋梁等のインフラの信頼性確保が重要課題となっているが、小型軽量で完全非接触検査が可能な本装置は、これらインフラの信頼性確保の分野でも、活躍が期待される。既に、関東地区の大型橋梁の検査で性能を実証済みであり、「装置が小型だからこそ、橋の狭い構造内部に持ち込めた」と高坪CTOは語る(図3のダンボール穴は、構造体内部への入口サイズを示す)。また、対象物との距離が2m(レンズを使用した場合最大5m)でも検査可能という利点により、近年問題となっているトンネルの欠陥検査への適用も期待されている。

図3:橋梁構造部の内部に通じる入口サイズ
構造の内部を検査するには、検査装置をダンボールの小さな穴に通す必要がある。ダンボールを持っているのはCTOの高坪氏。

「為せば成る!」が信条の王社長。目標を決めたら絶対に諦めない!

中国に帰省した際、多くの友人が起業しているのに刺激され、「自分にもできる!」と奮起、起業を決断したとのこと。一度決めたら絶対に諦めない王社長の信条は「為せば成る!」。これまで、資金調達他で多くの苦労をしてきたが、その都度強い意思とバイタリティで乗り越えてきた。王社長の頭の中は、常に技術開発や製品のことで満ち溢れている。努力を厭わない王社長には、心配や悩むなんて暇も無かったとのこと。さぞ周りに対して厳しいだろうと思い、社員の方にそっと聞いてみたら、「怒った社長を見たことが無い」という。技術には厳しいが、社員に優しい王社長だった。


穏やかな笑顔が絶えないバイタリティ溢れる王社長

企業情報

つくばテクノロジー株式会社

産総研技術移転ベンチャーで、最先端の技術を採用した非破壊検査装置を開発・製造・販売している会社です。「接触検査から非接触検査へ 聴く技術から視る技術へ」を実現するため、製品開発をしています。

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