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「新しい価値を創造する」展示会で、今までの概念を覆す画期的な鋳物をアピール株式会社会津工場

成功事例

2019.02.12

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同社代表取締役 鈴木直記氏。同社のある福島県南会津町は日本有数の豪雪地帯だ

株式会津工場は「MADE IN AIZU・世界中でここだけ」をモットーに、地元福島県南会津に根づいた精密鋳造をメインとした企業だ。イギリスからの基本技術を独自に進化させた世界で唯一の「Hプロセス工法」を有し、ロストワックス法と同程度のダクタイル精密鋳造を可能にしている。この独自の工法により自動車部品分野などで大幅なコスト削減と納期短縮に貢献。現在、自動車部品メーカーを主体に多様な企業から注目を浴びている。
同社は2015年、経済産業省から「がんばる中小企業・小規模事業者300社」に選出された。また2017年、同省から「地域未来牽引企業」に選定されている。さらに2018年には「第4回ふくしま産業賞」金賞を受賞。これからの社会を担う優良な中小企業としての期待がいっそう高まっていることが窺える。

Hプロセス鋳造製品と他社鋳造品の比較

「新価値創造展」は2015年が初出展となったが、回を重ねるごとに成果が増し、2017年の出展では大変多くの企業から引き合いがあったとのこと。
同年の出展の際は、当社独自の軽量・精密な鋳物部品の開発や量産製造を短納期・低コストで実現した加工レス製品などの事例を紹介。これらが幅広い業種の来場者から注目を集め、新規開拓や受注拡大につながった。詳しい内容を同社代表取締役 鈴木直記氏に伺った。

「Hプロセス工法」は、鉄を流し込む鋳型を水平方向に連続し重ねてセットし、一気に鋳造する方法。今までの鋳物の概念を覆す、精密で肉薄な鋳物を比較的安価で大量生産することができる

新価値創造展に出展したきっかけは
科学技術振興機構や福島県産業振興センターからのお誘いがきっかけで、参加させていただきました。この展示会は「新価値創造展」という名前ですから、「新しい価値を創造する」ことが前提としてあるのだと思います。鋳物は紀元前からある技術ですから、新価値というイメージとは一見かけ離れていると思われます。しかし当社がつくるのは、「今までの概念を覆す」画期的な鋳物であるということ。そういった想いを世の中にもっとアピールできればと考えて、「新価値創造展」に臨みました。

出展してみての感想はいかがでしたか
当社が今まで出展していた展示会は、自動車メーカー向けなど、ある特定の分野に向けた展示会が多かったのです。ところが「新価値創造展」では本当に業界の枠を超えて、色々な業種の方がいらっしゃいました。その中で当社の製品を見ていただいて、「こういう使い方があるのか」といった意見や「こういう鋳物ができるのか」といったお言葉をいただき、関心を持っていただけました。
また、今までは交流のなかった大学の先生や、異業種のロボット関係のメーカー様とのお付き合いが生まれて新しいビジネスのきっかけとなっています。

具体的にビジネスにつながったケースを教えてください
当社は自動車部品にほぼ特化した形で生産していましたが、今回は自動車部品とは全く違う業界の医療関係のメーカー様からお話をいただきました。医療関係でも小さな鋳物を使用するということでお引き合いをいただき、製品づくりをいたしました。
また想定外の分野でもお話をいただいております。そのひとつがオフィス部品です。机の部品や金具などにも、当社の鋳物を使ってみたいという話を聞いております。
また当社が製品を売る立場ではなく、機器の仕入れ先となるメーカーとの交流もございました。「新価値創造展」に出展していたロボットメーカーの方と知り合いになることで当社に必要なロボットの購入ができました。後日、当社に足を運んでいただき、当社工場に合うロボット選定及び、評価等を繰り返していただきました。現在、本格導入の仕様化までが進んでいます。
このように異業種の方とつながりを持てたことが、本当にメリットになったと思います。多様な業種から出展者が集まる「新価値創造展」は、来場者だけでなく出展者からもビジネスが生まれる数少ない展示会ではないでしょうか。

出展の際に気をつけたことやポイントなどはありますか
「新価値創造展」には、特定の業種に限らず様々な業種の方が集まりますので、鋳物に精通していない方にも当社の技術をわかりやすく伝えられるように留意しました。また、ご質問をいただいてもすぐに説明できるように資料作りや展示の仕方に気をつけました。
まず従来の鋳物ではこのような工程でつくっていましたと説明いたします。それが当社の鋳物にすると薄肉・軽量化が可能になる、と。加工レス化することで数値的に何%軽くなるかやトータルコストで何円安くなるなど、数値でわかりやすく表示をしながら展示しました。

今後はどのような展開を考えていますか
当社は以前から新しい技術を売り込むためのマーケティング活動を続けておりました。おかげ様でここ1、2年の流れとして、当社の技術が国内のメーカーに浸透していきました。そのため当社から営業やPRに行くのではなくて、「会津工場ならどのようにつくるのか」というご相談をいただけるようになりました。このような流れは、ブランディングの成果が出てきた証だと思います。
そして新たな製品の受注が数多く決まっておりますので、2019年には会津工場本社から車で10分弱のところに新しい工場を立ち上げます。この新たな工場も、数年でフル稼働になる予測がついております。
当社が生産する製品の6割程は海外に行くものです。これらの製品は、日本のメーカーの海外の工場で使用されています。海外で生産するものに対して現地調達が基本ですので、現在、お客様からは「海外での生産拠点を持つべきでは」というご要望が強くございます。
ここから先の展望としては海外で生産拠点をつくり、海外のメーカーと協力しながら、「Hプロセス工法」をさらに広めていくことにあると思います。今まで当社独自の工法でしたが、協力メーカーとともにこの工法をもっと世の中に広く浸透させていければと考えております。
当社の製品の約9割は自動車部品ですが、最近はアウトドア関係の鍋釜や、機械関係の部品など、自動車関係とは違う分野でも様々な引き合いをいただいております。
今後は自動車関係に限らず、当社の製品技術の需要があると分野にもっと広がっていければと考えております。

取材日:2018年12月10日

企業情報

株式会社会津工場

会津工場は、「MADE IN AIZU・世界中でここだけ」をモットーに、地元南会津に根付いた企業です。イギリスからの基本技術を独自進化した世界唯一のHプロセス工法を有し、ロストワックスに迫るダクタイル精密鋳造を可能にし、軽量・精密な鋳物部品開発から量産製造を短納期・低コストで実現します。

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