BREAKTHROUGH成功事例

新価値創造展での出会いから
自社初のOEM製品が生まれたセンスプロ株式会社

2018.01.19

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とにかくどんなニーズにも応える姿勢を見せた

あらゆるモノから情報を受け取り集約するIoT時代において、最も重要なデバイスのひとつ「センサー」。すでにセンサーの世界市場は3兆円に上り、数年で数倍に達すると言われている。センスプロは、センサー技術と無線技術をコアとして、様々なIoTセンサーシステムを企画・開発・製造している。

前職で培った技術を基に2016年に創業した同社は、同年の新価値創造展に出展。そこで農業用育成環境監視装置のメーカーであるスナオ電気の担当者と出会い、実際にOEM製品である『オートレイン』の開発までこぎつけた。そんな同社に、新価値創造展の効果的な活用法についてうかがった。

昨年は低価格の温湿度無線センサー機器で出展されました。
それが、どのような形でスナオ電気の目に止まったのでしょうか。

我々のセンサーは、過酷な環境下でのセンシングが可能なセンサーということで、過酷環境計測制御用という形で展示させてもらいました。OEM先のスナオ電気さんは来場者として来られていたのですが、お話していく中で「温室内は、夏は高温、冬は寒冷で、さらに水もかかるといった過酷な環境だ」と教えてくださった。先方は工業用・農業用のタイマーを昔から作られている会社で、それまでは時間管理で農作物への散水等をするシステムを作られていたのですが、それをセンサー制御にしたいということでした。それならば、我々は過酷な領域が得意なのでお役に立てるのではないか、となったのがスタートです。そこから、農業用温室の温度・湿度・散水を管理する『オートレイン』が生まれました。

開発に至るまでの過程はどのようなものだったのですか。
何度も先方に足を運び、なんでもひとつひとつ要望を解決していきました。例えば通信が途絶えないようにしたいというリクエストには、無線ではなく有線にすることで対応したり、先方の顧客である農家の方のマーケティング調査で出てきた「温度と湿度だけでなく“飽差”(飽和水蒸気圧までの余地)でも制御したい」というリクエストにも対応しました。温度、湿度、飽差を測る複数のセンサーで温室内の環境を適性に管理できるというのは『オートレイン』の強みです。その他にも我々の方からも様々なアイデアを出していくうちに、面白いことができるのではないかと思っていただけたようです。

先方の顧客には小規模・高齢の農家の方が多く、これまで経験と勘に頼っていた農作物づくりをセンサー制御にして品質管理したいというニーズはあります。そして、潤沢な資金力があるわけでもない。だから、『オートレイン』は小型化・低価格化も実現しています。

農業用製品で求められるような過酷な環境下という領域は、センサーの中でもニッチな領域でした。ニッチな分、対応してくれるところも少ない。我々は小さな会社ですが、そうした困り事をターゲットにしていけば事業のスタートとしては成功するのではないかと考えました。

スナオ電気との開発は今後も続くのでしょうか。
今回のOEM製品は第一歩目。第二歩目、第三歩目というのはもちろん考えています。第二歩目はセンサーの種類の拡大化です。温度、湿度、飽差のほかに例えば炭酸ガス、CO2センサーをつけたり、照度センサーをつけたり、あとは土壌が育成栽培に向いているかどうか土中成分を判別する土中センサーをつけたりということを付加していきます。暫くの間は開発案件が続きますね。

スナオ電気以外との取り組みは?
これは詳しくはまだお話しできないことも多いですが、様々な業種からお声がけいただき、いくつか開発は進んでいます。また、OEM事業やシーズ開発事業のほかに、自社製品の開発も行っています。自社製品としては、生活家電にセンサーコンセントを取り付けて、AIが生活リズムを解析し異常がないか見守る『生活見守りセンサー』を開発し、現在モニタリング中です。

複数のセンサーで温室内を適正管理するスナオ電気のOEM製品『オートレイン』

新価値創造展ならではの魅力というのは何でしょうか。
新価値創造展以外の展示会は、テーマやターゲットがはっきりした展示会が多いように思います。IoTの展示会、AIの展示会といった具合です。それが、我々のように“よろず屋”的な会社の場合、ひとつひとつにフィーチャーしにくいというのがある。新価値創造展はそこを問わないので、出展しやすいメリットがあります。

そしてなにより、我々のようなベンチャー企業が世の中に打って出ようとしても、まず認知が足りない。前職の会社が大きい会社だろうと関係なく、まったく通用しません。そこで最初に何をしなくてはいけないかというと、会社のブランド価値を高めていくことです。会社のブランド価値を上げようとすると、いろいろなところにPRに回らなくてはいけない。そのPRも、誰の紹介もない人が大手の企業にいきなり行ったところで会ってくれるはずがありません。新価値創造展は、自分たちがこういうことをやりたいと思っていて、こうした提案をしますというと、きちんと耳を傾けてくれる。それがすべてのスタートになるのだと思います。

毎年出展しようと思いますか?
出展しようと思っています。中小企業にとっての一大ビッグイベントといえる展示会だと思っています。昨年は具体的に何を出展していいのかわからない状況でしたが、自分たちなりに考えて出せるものはすべて出しました。今年(2017年11月15日~11月17日開催)はもっと充実させるつもりです。前回の出展時にOEM実現も含め複数の企業と話ができ、それをもとに今年はさらに自分たちが面白いと思うものを用意できた。毎年出展させていただいて、我々の方も成長している姿を、皆さんにお伝えしなくてはいけないと思っています。


“ここまでやるか!”を企業方針に掲げるセンスプロ代表取締役・中村俊昭氏

-comment-
話の最後に中村氏は、「最初の3年間はスタートダッシュだと思っている」と言っていた。スタートダッシュのときにあれはイヤ、これはできないなどと言っていると、あっという間に客は離れていってしまう。だから必死に食らいついて要望に応えていくというのがセンスプロの信条。また、中小機構のインキュベーション施設に入居していることで得られる様々なサポートも活かして、いまは数多くのチャレンジを仕掛けていくという。同社の企業方針は“ここまでやるか!”。同社初のOEM製品は、まさにその姿勢から生まれたものだった。

企業情報

センスプロ株式会社

大手企業の敬遠する、小ロットのシーズ開発から量産までのワンストップ生産体制を構築し、「ここまでやるか!」を経営理念として、顧客課題解決型事業を展開いたしております。

企業情報ページはこちら

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