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非侵襲で血糖値を手軽に測定できる「体内糖バランス計」と植物の成長の状態を数値化できる「光アグリセンサー」桐生電子開発合同会社

2019.03.26

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現在、特許出願中の「体内糖バランス計」

学ぶべきポイント

  • 「健康」と「農業」の分野に着目し、「光センシング」技術を活用
  • 医療費削減に貢献するため、「体内糖バランス計」を開発
  • 「光アグリセンサー」により、農業の生産性向上に寄与

電子機器の設計開発・製造及び販売を行っている桐生電子開発合同会社。同社は、開発する製品をより適切な価格と優れた品質で提供することで、社会貢献することをモットーとしている。

同社が今、もっとも注力しているのが物質の状態を光によって測定・分析する「光センシング」の技術開発だ。この技術を活用することで、現在、様々な製品の研究開発を行っている。その中でも特筆すべき製品が「体内糖バランス計」と「光アグリセンサー」だ。

「体内糖バランス計」は非侵襲で血糖値の上昇と下降の変化の状態を見ることができる装置だ。今まで手軽に測定できなかった血糖値の状態を、いつでも、どこでも簡単に計測できる。そしてこの装置の最大のメリットは完全な非侵襲であること。血糖値を測定する場合も、採血をする必要がないのだ。また使い捨ての消耗品でなく繰り返し使用できるため、コスト面や環境面でも安心といえる。

「体内糖バランス計」は、医療機器という括りではなく、あくまでも健康家電の扱いとなる。このため誰でも使用が可能だ(※ただし本来の血糖値ではないため、診断や治療には使用できない)。「血糖値」が気になっていても、そのために医療機関へ出向いて血糖値を測定する人は少ないと思われる。それは、血糖値の測定には、通常、採血が必要で測定に時間も要するからだ。そうした状況を顧みると、「血糖値が気になる方」や「生活習慣の改善が必要な方」にとって、簡単に使用できるこの装置は、画期的な製品といえる。
さらにこの装置は単体での使用はもちろん、通信機能によってクラウドサービスなどと連携すれば、フィットネス事業、健康食品事業、健康保険などと新たなビジネスモデル構築も可能になるという。現在、特許を出願中であるが、今後の新たな展開が期待されている。

そして「体内糖バランス計」と同様に「光センシング」技術を活用しているのが「光アグリセンサー」だ。このセンサーにより、非破壊で植物の生態状態の変動を実時間で観測し、成長状態の数値化が可能になるのだ。

光アグリセンサーには、「植物用うるおいセンサー」と「植物成長センサー」の二タイプがある。

「植物用うるおいセンサー」は、葉と茎に取り付けることで、水分の含有率を光によって相対的に測定する水分計としての機能をもつ。数値が上昇すれば、植物が多く水分を蓄えたことになり、低下すれば、水分を失ったことになるのだ。この指標によって正確な灌水の制御が可能になる。また、植物を傷つけることもなく安心だ。

植物用うるおいセンサー

また「植物成長センサー」は、植物の茎の中の光合成生成物の増減を検出する。光合成で生成された成分は、葉や茎の中を移動すると考えられている。この成分を茎や葉に取り付けた成長センサーで検出することで成長の様子が把握できるのだ。さらに水分含有率を測定する植物用うるおいセンサーや、日射量、温度などのデータとともに解析することで、より精度の高い植物の管理制御を可能にする。

植物成長センサー

このように、リアルタイムで植物の状態が把握できる「光アグリセンサー」によって、農業の生産性をいっそう高めることができるのだ。

同社は「光センシング」技術を活用することで、一つは健康(=体内糖バランス計)、もう一つは農業(=光アグリセンサー)に新たな市場を見出している。

同社代表取締役 木暮一也氏は、かつて大手電機メーカー勤務していた。その当時から自身の実績と知見で「健康」と「農業」の二つの分野に市場開拓ができるのでは、と考えていたという。同社設立によりその想いは徐々にだが具現化されることになった。特に健康・ヘルスケア分野に関しては、「日本の医療費削減に少しでも貢献したい」という願いから「体内糖バランス計」の開発に漕ぎ着けた経緯がある。

同社のある群馬県桐生市は、木暮氏の生まれ育った地元だ。「社名に桐生と入れたのは、もっと地元を盛り上げたかったため」と木暮氏は語る。「光センシング」という新しい技術によって、桐生市がさらに活性化するように。同社の開発はこれからも続いていく。

取材日:2019年3月7日

 

企業情報

桐生電子開発合同会社

当社では、現在、「光センシング」技術開発を行っています。この技術の応用製品として非侵襲で体内糖値の変化量を検出する「体内糖バランス計」、植物の光合成状態の変位を観測する「光アグリセンサー」の開発を急いでいます。また、この技術を使った非破壊で変位量を計測する新たな応用も検討しています。

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