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水道水を駆動媒体とする「水圧シリンダ」を活用。業界初の「多目的段差解消機兼入浴補助装置」開発株式会社ADSムラカミ

2019.03.19

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水圧シリンダを活用した、業界初の「多目的段差解消機兼入浴補助装置」

学ぶべきポイント

  • 水圧駆動エネルギーを活用して、環境負荷を大幅に削減
  • これからの高齢化社会を見据えた、バリアフリーな製品の開発

株式会社ADSムラカミは、独自の新水圧技術「Aqua Drive System(アクアドライブシステム)」を用い、安心・安全・快適・オイルフリーをテーマに、地球環境に配慮したシステムを提案する会社。水圧駆動エネルギーを活用することで、環境への負荷が限りなくゼロになる次世代型駆動装置の開発・製造を基幹事業としている。

同社の社名にも含まれている「Aqua Drive System」(以下ADS)は、従来の水圧技術とは異なる、水道水を駆動媒体とする液圧技術を応用したものだ。このADS技術は、油圧、空気圧、電動などのこれまでの個々の駆動源の代替ではない。コストも配慮したシステム全体のメリット向上と、「オイルフリー」といった環境リスクを最小限にするための「システム・ソリューション」の提供を目的としている。

同社独自の新技術「Aqua Drive System」の特長

同社はこのADS技術によって、水道水を駆動媒体とした水圧シリンダを開発。水圧シリンダは、油圧シリンダにおける油漏れ、空圧シリンダにおけるパワー不足などの弱点を補い、既存の駆動方法では対応の難しかった分野での活用を可能にしている。
例えば、この水圧シリンダを活用することで防災、食品、輸送機器用の防水板を開発した。防水板のメリットは、水道の蛇口から出てくる水の圧力のみで開閉が可能なため、油圧、電気方式と比べて電源装置が不要ということ。また食品など厳しい衛生基準の中で、装置全体の丸洗いが可能であり、衛生管理を保てることが挙げられる。さらに水道水が駆動媒体のため、環境汚染などが一切でないテーブルリフターの製作が可能となるのだ。

そして水圧シリンダを活用した製品の中で、同社が今、もっとも注力しているのが、業界初の「多目的段差解消機兼入浴補助装置」だ。
従来の段差解消機の場合、100V程度の外部電源が必要だった。また、設置方法は固定方式がメインで、屋外設置の際にはサビの問題もあった。しかし、同社が開発した段差解消機は、これまでにない水圧シリンダを活用したタイプである。主電源をバッテリー式にして、外部電源は一切不要。キャスターでの移動式と固定式を兼用にしており、全天候対応のため、屋内外の設置場所を選ばない。また、本体は水中設置も可能で、水陸両用で使い分けることができる。単なる段差リフトとしての使用ではなく、様々なところに移動ができて、入浴リフトとしても使用も可能だ。

リフトがアップした状態の「多目的段差解消機兼入浴補助装置」

同製品は介護施設や病院はもちろん、一般の住まいの中など、様々な場面で使用できる。
例えば、介護においては在宅による介護の割合が大きくなっているが、そのような社会のニーズにも十分に対応することができる。また、公共施設や体育館などのスポーツ施設にも幅広く活用することができる。こうした施設の場合、屋外にはスロープがあるものの、施設内部にスロープはない場合が多いため、需要の拡大が期待できるのだ。疾患のある方や、障害者、身体の不自由な方はもちろん、高齢者への活用など、これからの社会に向けて使用範囲は非常に多岐にわたっていくことが予想される。

同社の代表取締役 村上康裕氏に、開発の経緯を語っていただいた。
「ある温泉施設の会長様から『大浴場で段差解消機のような装置を使うことができませんか』とお声をかけていただいたのが開発のきっかけでした。例えば、露天風呂にお年寄りや身体の不自由な方が入浴する時に設置できれば、安心してお風呂に入れるからです。ただし、その会長様からは、普段は取り外しができるようにというご要望がありました」

「多目的段差解消機兼入浴補助装置」という名称が示す通り、入浴はもちろん、様々な用途に使用できる機器だ。現在は、昇降時の安全確認用に遮断機を設置するなど、様々な改良が進められている。使用者にとっての安全と快適への追求は今後も続いていくことだろう。また同社は、生産能力を高めるために国内や台湾の企業との業務提携を開始した。マーケットとしては東アジアへの販路拡大を狙っているという。
水という万国共通の資源をもとに、環境への配慮や今後の高齢化社会を見据えた、様々な技術や製品の開発が期待される。

取材日:2019年2月27日

 

企業情報

株式会社ADSムラカミ

我社は、ADS(Aqua Drive System)技術の中で、水圧シリンダを核とした全国(当社以外で数社程の生産対応)でも数少ない製造業(スペシャリスト)で、水道水を駆動媒体とした新水圧技術を使い、現行の駆動技術(油圧、空圧、電機)では、対応困難な分野での活用が可能になり新たな市場開拓を行って参ります。

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