BREAKTHROUGH成功事例

特殊な医療機器製造技術の活用法を展示会で示す有限会社佐藤化成工業所

2016.12.01

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PET樹脂製の医療機器を開発し医療分野に新たなムーブメントを確立させた佐藤化成工業。自社が製造する特殊な製品をどのように新価値創造展でアピールしているのか。

製品に付加価値を持たせて医療分野に参入した

今回、紹介する佐藤化成工業は医療分野の予防医学に繋がる臨床機器や医療機器を製造する企業。しかし、創業当時はプラスチック製玩具や雑貨類の成型を行っていた。

「1980年代になると、少子化が進んでいたことで玩具業界の将来は明るくないことを感じていました。自社の技術を活かし、玩具業界ではない他のジャンルに活路を見いださないと、会社が生き残れない状態に陥ったのです。団塊世代である私ならば、将来なにが必要になるか。それを基準に考察したところ、病気になる前の検査に必要な予防医学の機材なら多くのニーズがあるのではないかと製品の開発を始めたことが医療分野に参入するきっかけとなりました」

代表取締役の佐藤役男氏は現在までに繋がる自社製品開発のきっかけをこのように語ったが、医療器具として最初に開発したのはPET樹脂製採血管だった。当時の採血管はガラス製が主流で、プラスチック製も出始めてはいたが、玩具製造で培ったプラスチック成型技術を活かしペットボトルに使用されるPET樹脂を原料とする試験管を開発することを決断する。結果、ガラス製とは違い割れないことに加え、空気を通さないという他のプラスチック製品が持っていない特徴を持つ、従来にはない採血管が完成した。

「いまでは市場で主流になったPET樹脂製採血管ですが、最初に国産のPET樹脂材で成型し量産販売をしたのは当社でした。我々は、このような付加価値を持った製品を開発していくことにこだわりながら医療分野へ参入したのです」

付加価値だけではなく信頼性をとくに重視

PET樹脂製採血管に続き、硫黄と便の臭いを通さず検査に適量の便を採取できる独自の採便棒形状を採用した採便管、販売から30年間で1度も液漏れ事故を起こしていないがん細胞などを入れる検体用容器など他社にはない独自性がある商品を次々と開発していった。ただ、この業界で成功するには付加価値や独自性だけを追求すればいいのかというと、それは違うと佐藤氏は語る。

「付加価値がある独自性はもちろん、信頼性をとくに大事にしています。いかに独自性があったとしても安かろう悪かろうで製造した結果、検査などで問題を起こしては信頼されませんから」

しかし、良い製品を開発しても医療業界では、必ずしも成功するとは限らない。

「最初に開発したPET樹脂製採血管を売り込むまでに、だいたい7年くらいかかりました。我々の商品はとある大学の先生がたまたま評価してくれたことがきっかけで売れるようになりましたが、医療業界といえば言葉は悪いけど、ひとことでいうと『鉄のカーテン』 。実績がない会社の製品はまず売れません。その実績を作ることに成功すればいろいろな会社から『こういう商品を作れないか?』と引き合いがくるようになるのですが、そこに至るまでにだいたいの会社は倒産してしまうのではないでしょうか」

特殊な製品をPRするために新価値創造展の役割は大きい

こういう特殊な業界のため自社製品を売り込むには、医療検査センターへ営業をかけたりホームページからの問い合わせが来ることを待つ以外、現状では難しいと話す佐藤氏。そんな佐藤化成工業の製品や自社の技術をアピールするために、新価値創造展はとくに重要なのだと語ってくれた。

「こういう特殊な製品を販売しているため、展示会ですぐ成約にいたることはありません。ただし、出展したことがきっかけとなり製品や自社技術についてかなりの問い合わせが来ています。実際、新価値創造展に出展したことで、ある企業から『御社の技術を活かした新たな製品を作って欲しい』と問い合わせをいただき、現在サンプルを製作するなど契約成立に向けての話が進んでいます。また、何年も継続して出展していることで私に会いにわざわざ会場へ来ていただく方や、展示会を通して知り合った方から業界関係者を紹介してくれるケースも少なくありません。結果的に売上に結びつくのは2,3年かかるかも知れないけど、新価値創造展に出展してよかったと思っています」

最後に佐藤氏から、新価値創造展に出展したことがない企業に対してアドバイスをいただいた。

「自分たちが作っている製品や技術をブースに並べて『我々はこういうことができますよ!』 とアピールするより、『この製品は、こういう特徴があるのだから、新たにこういう形での活用法がありますよ』、とアピールしないと上手くいかないのではないでしょうか。新価値創造展に出展して即商売に結びつかなくても、自社製品に対して来場者からの意見を聞き、その意見を元に改善・改良を進めていこうと展開していくことで、初めて商売に繋がる流れができていくと思います」


佐藤役男 代表取締役

企業情報

有限会社佐藤化成工業所

当社は自社開発とお客様のニーズに合わせた製品の提案・企画から始まり金型を製作し、プラスチック射出成形機やブロー成形機でパーツを成形、試薬の分注等を経て製品化します。製品開発は独自性を重視し、ポリエステル製綿棒を使用した製品開発に特に力を入れています。主力製品は病理検査用容器、各種採便管があります。

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