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ゲリラ豪雨などの水害、およびヒートアイランド現象から都市環境を守る株式会社アムラックス

2018.02.27

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高い透水性と耐剥脱性を高レベルで両立。さらなる普及が期待される複層ポーラスコンクリート商品「Eクリート」

学ぶべきポイント

  • 真に良いものを探求し、商品化に取り組む事業戦略
  • 他者と連携して物事を進めていく協働姿勢

近年、いわゆるゲリラ豪雨による都市型の水害が深刻化している。その対策として注目されるようになってきたのが、ポーラスコンクリートによる舗装である。これは内部に空隙をもつ「おこし」状のコンクリートで、舗装下部の地中に直接水を浸透させることで水害を防ぐ狙いを持つ。しかし一方で強度が低く、車や人の通行による表面の剥脱などがネックとなっていた。このため、実際の施工現場においては空隙を減らすことで強度を上げ、結果として透水性を犠牲にしてしまうという矛盾した対策が取られるケースも少なくなかったという。

これに対して、複層型のポーラスコンクリート舗装を提唱しているのが株式会社アムラックスである。同社のコンクリート商品ブランド「Eクリート」のポーラスコンクリートは、基層として25~30%の高い空隙率のコンクリートを用い、透水係数1~3cm/sという優れた透水性を実現。さらにその表層に天然石+樹脂によるデザイン性の高い層やグレーチング(溝蓋)と組み合わせたアスファルト舗装などを施工することで、高い耐剥脱性をも実現する。また保水性にも富んでいるため、気温上昇時に気化することでヒートアイランド現象の対策としても効果が期待できる。

内部に空隙をもつ「おこし」状の目詰まりしにくい構造で、バケツの水も瞬時に透水する。

同社では2010年頃より同業の有志を募ってEクリートのブランディングをスタート。ポーラスコンクリートの商品化についても試行錯誤を重ね、当時リリースされていた商品を片っ端から自社の駐車場に打設してその性能を評価したという。ところが打設後に変形したり褪色したりと問題が多かったため、素材の成分を分析した上、この分野の第一人者がいる三重大学との共同研究をスタート。現在の商品を確立してきた。一方でポーラスコンクリート舗装の普及を加速させるため、自社で建設業の許可も取得。施工体制を整え、施工ノウハウの蓄積とポーラスコンクリート舗装の効果を実証できる実績づくりを着々と進めている。

安心・快適な都市環境創造の整備に大いに期待されるポーラスコンクリートだが、普及の障害となっているのはやはりコストだ。同社が自ら施工実績づくりを進めているのも、価格の壁を乗り越え、施主に直接その魅力を訴えていくため。現在は店舗駐車場や集合住宅・個人住宅のアプローチ・駐車場、神社・寺の参道・境内といった民間需要が中心だが、今後は公共事業への本格的な採用も目指す。同社も自社による施工にはこだわらず、商品の卸販売や施工のコンサルティングといった柔軟な対応を視野に入れ、今後の拡販に備えている。

  • 同社によると、日本におけるこれまでのポーラスコンクリートの舗装実績は推計約40万平方メートル。その多くは単層で、上記のような施工状の問題もあり、ポーラスコンクリートの真価が社会に十分伝わっているとは必ずしもいえない。一般的な舗装と比較すればコスト高とはいえ、「たびたび冠水してしまうアンダーパスのような場所への局所的な導入でも意義が大きい」と同社はいう。同社の複層ポーラスコンクリートが形作る、都市環境のこれからに期待したい。

企業情報

株式会社アムラックス

アムラックスでは、社会に良質のコンクリート構造物を提供するために、コンクリートミキサー車への装備品などを取扱っております。また、ヒートアイランド・集中豪雨・水害対策のために透水性コンクリートの研究、製造、販売から打設までの一連の業務及びそれに関わる機能設置ソフトを業界に提供しています。

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