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建物密集地における狭小ビルの重機解体を可能にする「スパイダーロボ」株式会社フクブル

2019.10.29

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小型バックホーにウインチが付き、解体建物内での自力昇降が可能

製品名=「スパイダーロボ」

手作業で解体するしかなかったビルにも対応可能

株式会社フクブルの「スパイダーロボ」は、建物密集地の狭小ビルなど、従来では手作業以外では解体が難しかったビルの重機による解体を可能にした次世代型解体専用重機だ。

従来、敷地いっぱいに建ったビルの解体は、まず屋上に解体用重機を吊り上げ、上階から順に解体を行い、解体ガラで足場を作って重機を一階ずつ下に下ろしながら地上階までの解体を完了させる「階上解体工法」が一般的だった。しかしこの場合、大型クレーンが入れない建物密集地での解体は難しい。

一方、0.1m3クラスの小型バックホーにウインチを取付けた「スパイダーロボ」なら、クレーンなどによる吊り上げは不要。狭隘地のビルであっても、ビル内部を階上までクモのように自機のみで昇ることができる。

操作はリモコンによって行うため、階上への吊り上げ時はもちろん、墜落事故の可能性の高い階上解体時にもオペレーターは安全な場所で作業を進められる。また、アームを短くすることで通常より一回り大きいアタッチメントを装着できるようにしており、小回りの利く小さな体で、大きな仕事をすることが可能だ。

解体事業者ならではの知見を生かして開発

ビルや家屋の解体に半世紀以上にわたって取り組んできた同社が、建機メーカーや建設コンサルタントと連携しながら自社のために開発した「スパイダーロボ」には、解体事業者ならではの知見が随所に生きている。例えば、重機の全高を建物の階高に収まる2.4m以下に抑えるといったこともその一つに挙げられるだろう。

「スパイダーロボ」を使ったビル解体では、まずハンドブレーカーなどを使用して各階に重機を通せるだけの大きさをもった廃材搬出用の落とし穴を開け、その後、その穴を通して上階まで重機を吊り上げていく。続いて上階から解体を行い、解体ガラでスロープを作りながら下階へ進み、地上階までの解体を完了。ほぼすべての作業が建物内で行われるため屋外作業と比べて騒音も出にくく、ほこりなども立ちにくい。また、クレーンでの吊り込み時の道路封鎖なども不要だ。

解体工事の工期短縮とコストダウンが可能に

道幅が狭いエリアや上空に電線が張り巡らされたエリアにある建物、アーケード屋根を設けた商店街の中にある建物など、クレーンで重機を吊り込む従来の「階上解体工法」を使いにくい建物は多い。そんな建物に対しても、重機を使ったリーズナブルかつスピーディーな解体作業を行えるのが「スパイダーロボ」の大きなメリット。同社の従来工法との比較で試算した場合、コストで最大37%、工期で最大20%の圧縮が可能だという。

現在は同製品を使った完全自社施工という形で解体サービスを提供しているが、今後はオペレーターと「スパイダーロボ」をセットで貸し出す形での事業展開を検討中。さらに「スパイダーロボ」を使った工法をより進化させるため、現在、徳島大学と共同で研究を進めているという。

解体業、建設業、ハウスメーカーなどはもちろん、敷地の狭さなどの制約で自社ビルや工場の改築などに踏み切れない企業などは、一度活用を検討してみる価値があるだろう。

取材日:2019年7月5日

 

企業情報

株式会社フクブル

1968年創業。「私達はこわす事で未来を創造しています」をモットーに、家屋解体工事、ビル解体工事を中心とした事業を展開。解体業をサービス業と位置づけ、お客様に「良かった」と言われる会社を目指す。住宅のリフォーム工事や、建物のエクステリア空間を形成する外構工事、産業廃棄物工事なども手がけ、盛土の開発や新工法の開発にも積極的に取り組んでいる。

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