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検査場所を選ばず簡単な操作で、表面・内部や重ね構造の下板の欠陥も検出サガワ産業株式会社

2020.02.04

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パルス渦電流の活用で金属の内部の欠陥を発見できる非破壊検査器

製品名=「パルス渦電流非破壊検査器」

非磁性体金属の表面、裏面、内部に加え、重ね構造の下板も検査可能

鋼材、機器、各種構造物といった検査対象を傷つけることなく、表面や内部の欠陥をチェックする非破壊検査。放射線探傷、超音波探傷、磁粉探傷、浸透探傷など、さまざまな方法があるが、いずれも適用できる素材や範囲の広さ、コスト、扱いやすさなどに何らかの課題があった。

「パルス渦電流非破壊検査器」は、操作が容易で持ち運び可能な上、塗装除去などの前処理も不要というメリットを持つ交流渦電流探傷法※1の適用範囲を、立命館大学と共同開発した独自の手法で大きく拡大したものだ。例えば電気抵抗率の大きい非磁性体金属※2のステンレスやチタンの場合、超音波などの方法では発見が難しかった重ね構造内部の欠陥も検知できる。

異常があれば、ディスプレイにリアルタイムで波形を示して表示。バッテリー駆動のポータブルな本体により、検査の場所も選ばない。
※1渦電流探傷法:金属に磁気の変化を与えたときに金属表面に流れる渦電流の変化から傷や損傷を探る方法。
※2非磁性体金属:外部磁力の影響を受けない鋼材の総称。

パルス渦電流の利用で強力な検知を実現

短時間だけ生ずる「パルス磁気」を渦電流探傷法に利用すると、発生する渦電流は交流式の磁気を与えた場合に比べ強くなり、順次内部に伝達していく。同検査器ではこの原理を活用することで、重ね構造の中板や下板の亀裂、パイプ内部の腐食などによる減肉、材質の加工や劣化による変化などを確認できるようにした。

性能検査の結果では、例えば厚さ10mmの非磁性体ステンレス鋼なら深さ3mm以上の裏亀裂は容易に検出できる。溶接部など凸凹のある場合は非接触検査も可能。また電気抵抗率の小さいアルミ合金、銅合金などでも数mm程度の厚みであれば内部まで検査できる。鉄などの強磁性体についても、表面や表面近くの探傷に利用できる。

完成品の検査、加工の検査、劣化の検査などで活用

本製品は商品化されて間もないが、実用化する前の試作器が製造ラインでの焼き入れ検査、熱交換器の硫化水素による劣化の検査、深海用小型船の検査などで活用されている。適用範囲の広い本品は受注生産で、適用場所や目的に応じた調整を行って開発・販売する方針だ。

今後の展開としては、航空・宇宙開発産業、プラント・インフラなどの製造や保守管理、車両の定期検査・製造などの用途が想定されている。製品製造はもちろん、大事故を事前に防ぐメンテナンスにおいても、迅速で信頼性の高い検査装置が要望されている現在、本製品はさらに社会に広まっていくに違いない。

取材日:2019年11月12日

 

企業情報

サガワ産業株式会社

1967年設立。建築金物や土木資材分野などにおいて、個別注文によるステンレス・アルミ・スチールほか各種金属加工を中心に事業を展開。最新レーザー加工機や曲げベンダー設備といった最新機器の導入で品質の向上や生産性向上に努めている。この非破壊検査器に関しては、新事業部を立ち上げて取り組み、大学との共同研究にも力を入れている。

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