新価値創造展
出展成功事例
考えていなかった用途への
応用などの発見の場


「人の生活を支え、人と共に行動できるロボット技術を開発し、より快適で豊かな社会の実現」を理念とする株式会社Piezo Sonicは、超音波モータと搬送用自律移動ロボット開発・販売の2軸によって事業を展開している。超音波モータは、磁石、コイルを使用しないため、従来型のモータに比べ五分の一ほどの小型化、軽量化を実現している。電磁力を使わないため、MRIなど医療機器の周辺機器とも非常に相性がいい。さらにパワーも従来モータに比べ5倍というまさに次世代モータである。 搬送用自律移動ロボットは、工場、倉庫内外の搬送、オフィス内の搬送・定期巡回、商業施設への搬送、宅配便などのラストワンマイルの搬送支援など、活用機会は多岐に渡る。乗越え高15cmというハイスペックな性能により障害物の乗り越えも容易だ。駆動部に超音波モータを用いることで、超音波モータ利用の実証例にもなっているという。 こうした商品開発を実現する代表取締役 多田興平氏に、新価値創造展に出展する意義、商談事例、今後の展開を聞いた。

●本展示会とほかの製造系展示会では違いを感じられましたか ほかの展示会ですとエンジニア系の方や、ご自身の専門にされている分野を見に来場する方が多いのですが、新価値創造展の場合はもっと幅広い層の方々にも来ていただいています。そうした方とお話すると、我々が考えていなかった用途への応用などの発見にもつながることがあります。そういう部分が、新価値創造展に出展する良さだと感じます。
●2020年のオンライン開催の手応えはいかがでしたか 2020年の新価値創造展では特集を組んでいただきまして、それをご覧になった方々が弊社のYoutubeなどを見に来てくださったのが大きかったように思います。そういった部分がうまく連動できたのが良かったです。動画だけとなるとどうしてもうまく伝わらない部分もあるので。動画視聴数は通常の2倍ぐらいは伸びました。展示会後には「動画を見て質問が~」といったお問い合わせがかなり増えました。
●展示会によってどのような企業から注目を集めましたか 静音かつ強力なクリーナーをつくりたいというメーカーさんや、自律移動ロボットでは、搬送に関わるメーカーさんはもちろんですが、ちょっと意外な利用を考えているところもありました。ひとつだけ例を上げると、とある企業から受けた注文なのですが、力、トルクはいらないので、モータの薄さと静音性だけに特化してほしいというのがありました。モータといえば力を求められることが普通なのですが、その企業では、コンパクトで静かなモータが必要だと。いずれにせよ、我々が想定していなかった活用を提案していただけることも多くありました。
●商談、成約までの流れはいかがでしたか やはり展示会、弊社の動画、ブログで一度見たうえで問い合わせいただいており、どういう商品なのかという一番最初の部分はそこで理解いただいておりましたので、商談はスムーズにいくことが多かったです。そういうこともあって、ほかの類似展示会に比べると、新価値創造展は商談、成約が早く進行したように感じます。
●2021年開催のリアル展示会ではいかがでしたか リアル展示会の場合だと、やはり実物を見てもらえるというのが大きかったです。会場で紹介・解説動画を見てもらい、実物を触ってもらう。商品を、より実感してもらえますね。それと、見に来てくれた方々の業界は、オンライン開催よりも幅広いです。オンラインだとご自身の関連ジャンルの商品を事前に探して動画などを見る方が多いですが、リアル開催ですと、とりあえずあちこち見て回る。そこで気になるブースがあると話を聞いてみる。そういう方と実際にお話をして商談に進んだり、情報を交換したりする場合もありました。
●今後の展望についてお聞かせください 主力の超音波モータというのはまだまだ一般的に定番とはなっていないので、まずはそこを目指す必要があると思っています。たとえば、バックラッシュレスで磁場環境で使えるモータといえばPiezo Sonicといわれるように知名度を高めていきたいと思います。具体例をあげると、強い磁場が発生するMRIは周辺機器の設置にとても苦労するのですが、そうした機器の駆動部を、電磁力を使わない超音波モータにすれば安全に設置できます。ほかにも活用の幅はあります。まだまだ小さな会社ですので、いわゆるニッチトップを狙っていきたいです。

MRI等、高磁場環境で利用可能な小型高トルクモータ